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 雲行きが怪しい京都議定書

  
米国が突然の離反、 事実上骨抜きに

2001/06/23

(中日新聞2001年6月4日朝刊)

 質問箱
Q 
  地球温暖化に向けた京都議定書の2002年発行が危ないと
 いわれている。背景は何か。

A 
  二酸化炭素などの温室効果ガスが増え、気温が上昇すると
 海面の上昇や砂漠の拡大など深刻な環境変化を招く。

  京都議定書は、地球温暖化を防ぐため、1997年に京都で
 開かれた、「気候変動枠組み条約第3回締結国会議」
 (COP3)で採択された、人類が今後守るべき目標を定めた
 国際的な取り決め。

  しかし、総論で賛成だった各国も、具体的な温室効果ガスの
 削減案になると利害が衝突。
  議定書の運用ルールを決定するため2000年11月、オランダ
 のハーグで開かれた第6回会議(COP6)は決裂した。

  2001年にはいって米国が突然、議定書に反対しはじめ
 急激に雲行きが怪しくなってきた。


  なぜ、米国は反対なのか。

    

  ブッシュ大統領が2000年の大統領選挙で争ったゴア副大統領
 が議定書の咲いたくじに活躍し、「議定書=ゴア」の印象があるから
 だといわれている。

  また、大統領の支持基盤が、二酸化炭素を排出する石油産業に
 あることや、議会が議定書に反対していることも理由にあげられて
 いる。

  もっとも、米政府は、対外的には、「議定書とは別の有効な対案を
 検討中」と説明している。


  米国の姿勢に他国はどう反応しているのか。


  最も反発しているのは、ヨーロッパの15カ国からなるEU。
 4月上旬には代表団が来日し、「米国抜きで議定書の発行を」
 とよびかけた。

  米国以外のほとんどの国が、最大の二酸化炭素排出国の
 突然の離反に強い懸念を示した



  日本の対応はどうか。


  「京都」という日本の象徴的な都市名を冠した議定書を守るため
 川口順子環境相が4月下旬、ニューヨークで開かれた非公式
 環境相 会合での訪米で、ホイットマン環境保護局長官など
 政府高官にあって米国に議定書の枠組みにもどるように訴えた。

  5月30日には、環境NGO(非政府組織)と会談した小泉首相も
 「米国の参加が一番重要。日本として今、全力を投入している。
  あきらめてはいけない。」と話し、説得する姿勢を示した。


  議定書発効の見通しは。


  米国以外のEU、日本などの先進国がすべて批准すれば、
 発効自体は可能。
  しかし、温暖化に最も影響がある米国がはいらないと、議定書は
 事実上「骨抜き」になってしまう。

  






















                          
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