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       ドクターホーワ放送室 特別番組

    「わが社にとっての環境問題」 
 

 その8 健康的な室内空気は基本的人権!
       持続可能な地球的環境の利用を。

2001/06/08

 すべての人には健康的な室内空気に対する権利がある

 室内の空気が良いか悪いかという問題は、私たちの人間の
健康と福祉の重要な要素となります。

 人は、住宅、勤務先、学校、車内などの室内空間で、
ほとんどの時間を過ごすからです。

 室内の空気の汚染は、呼吸器の疾患、アレルギーなど激しい
影響をもたらします。
 換気の不備な燃焼器具は、一酸化炭素中毒の原因となります。
 たばこの煙は、肺がんのリスクを増大させるともいわれています。
 室内に存在する化学物質は、不快感をもたらすだけでなく、
シックハウス症候群の原因ともいわれています。

 WHO(世界保健機構)でも、室内空気の問題がとりあげられて
います。
 「健康的な空気は基本的人権である」というスタンスで研究が
なされています。

 
 基本的人権と、地球的環境へのいたわり

 しかしWHOでも、こうした基本的人権を認めながら、なお
地球環境との調和というものを真剣に考えています。

 すこしかたくなりますが、WHOのレポートにつぎのような
ものがありますので抜粋してご紹介しましょう。

 「すべての者は、健康的室内空気に権利を有する。・・・・」
       ・・・・(中略)・・・・・・・・
 「空気、水、大地、大洋、水産、森林、気候を含んだ統一的な
生命維持システムは、人類の生き残りに不可欠のものであり、
現世代、ならびに将来の世代にわたってこれらのシステムに
注意を払わなくてはならない。


 健康的な室内環境の達成は、地球エコロジーと人の健康への
短期、長期的影響の防止の上で妥協をしなければならない。
 
 室内環境にしかるべき敬意といたわりを示すことは、地域的
地球的環境への敬意といたわりを示すのと同じである。」



 「持続可能性」が調和のためのキーワード!
 
 「健康的な室内空気を達成するために、環境へのインパクトを
最小限にすることは、持続性にとっても必要欠くべからざるもの
である。

 持続可能な開発、持続可能な生活、持続可能な健康の考慮
は、健康的な室内空気の推進にすべて適切である。」

 

 
 ぜいたくは敵?

 
 レポートは次のように結んでいます。

 「短期的な生活の質を向上させる、ぜいたくなサービスを、
長期的な地球規模・地域規模のエコロジー的考慮の上に
持ってきてはならない。」

 「過剰消費に関連した不適切な技術の利用は、生命維持
システムの持続性に負の影響を与える。・・・(中略)・・・
 
  過剰利用と汚染は、これらの生命維持システムを、破壊
しつつある。
 いいかえれば人類は過剰消費、人口増加、技術の不適切な
使用により、地球エコロジー体系に脅威を与えている。」

 「人類の健康と福祉に不可欠ではない快適さへの考慮が
過剰開発と汚染により、生命維持システムの自己継続性を
危ぶませるというジレンマに陥っている。・・・(中略)・・・

 人の快適性が、生命維持システムを危ぶませるときは、
生命維持システムの保護が優先されるべきである。」


 わが社のように「健康的な空気の提供」をなりわいとする
ものにとっての、重要なキーワードがここにあるように思います。

                              (次回に続く)

    参考文献
      空気調和・衛生工学 第75巻 第6号
       The Right to Healty Indoor Air  
       (Report on a WHO Meeting;Bilthoven,
           The Netherlands, 15-17 May 2000)
         吉澤 晋 訳 

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