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       ドクターホーワ放送室 特別番組

    「わが社にとっての環境問題」 
 

 その3 エアコンは部屋の中の
              暑さをすてる道具?

2001/06/03

 エアコンは部屋の中を冷やす道具か?

 名古屋に生活されたことのある人は、よくお分かりですが、
名古屋の夏はすさまじい暑さで、アスファルトの上で、目玉焼き
をつくるのをテレビで見たことがあるほどです。

 また名古屋の夏は、暑いだけでなく、湿気がものすごくて、
町全体がすっぽりサウナの中にはいったような息苦しい夏です。
 エアコンなしでは、とてもすごせないような、むっとした日々が
続きます。

 そのエアコンですが、たいていの人は、「エアコンは部屋の中を
冷やす道具」というイメージをもっているのではないか、と思います。
 しかし、実は「エアコンは部屋の中の暑さをすてる道具」なのです。

 室内は天国、室外は地獄

 実は、エアコンは、基本的には、室内の暑さ(熱量)を室外に
捨てることによって、室内の温度をさげる仕組みになっています。
 
 エアコンというポンプをまわして、室内の暑さを、せっせと室外に
くみ出すことによって、室内と室外の温度差を無理やりつくって、
室内の温度をさげるわけです。

 したがって、室内は涼しくなりますが、そのかわりに室外は
むしろかえって暑くなります。
 冷蔵庫のうらがわが熱くなるのとまったく同じ原理です。


 車のエアコンをイメージするとわかりやすいのですが、車の
中に乗っている人は窓ガラスを閉めて、涼しい顔ですが、その
車の外にいる人は、車の中から捨てられた熱にくわえて
エアコンという排熱ポンプをまわすためのエンジンから発生
する熱も加わって、二重の暑さに苦しむわけです。


 まさに車のなかの天国と、車の外の地獄が隣あわせの
状態になるのです。

 これもまた、我が家の玄関先をきれいにするために
家の前の道路にちりを掃き出すのと根本的にはかわりません。

 

 拡大する矛盾と悪循環・・・

 人間の数が少なくて、エアコンを使う人がそんなにたくさん
いなかったときには、それほど問題にもならなかったわけですが
今、明らかにつぎのような悪循環をおこしてしまっています。

      暑いからエアコンをかける
           ↓
      エアコンをかけると外気が暑くなる
           ↓
     エアコンを運転するためのモーターの
        発熱でさらに暑くなる
           ↓
      暑いからエアコンを使う人がふえる。

 この悪循環は、単なる悪循環ではありません。
エアコンというポンプをまわすために貴重な資源
(電気やガソリンなど)を消費しつつ、なおかつ
地球温暖化やCO2という副産物を生み出しながら
循環する、いわば拡大悪循環です。


 名古屋の夏にアスファルトで目玉焼きが作れなくなる方向とは
反対の方向に進んでいると思うのです。

 しかし、もはやエアコンなしに、夏は乗り切れません。
住環境と地球環境の両立の矛盾がここにもあります。
 その調和を模索して、空調という住環境を商品とする
わが社の苦闘も続きます。


                               (次回に続く)


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