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   『考課者コミュニケーション会議 第2回』
                
                   
2003/06/23


 今回は、第2回目ということで、次の点に焦点を
 あてていきます。

《3》考課の意義と考課者の使命・役割を自覚する

《4》望ましい考課とは少し辛めであることの共通認識を持つ
 

《3》考課の意義と考課者の使命・役割を自覚する

 考課者は考課をする前に以下の自覚をするとよいと
思います。

a. 私は第一印象に左右されることなく、それぞれの
  考課項目を観察の事実に基づいて考課しているか。
  最初から総合評価をしていないか。

b. 私は部下のことがかわいいあまり、部下の成長を
  止めてしまうような甘い考課をしていないか。
   優秀な部下がやめてしまうような好き嫌い考課を
  していないか。

c. 部下の一つの良い行いに感動して、他のこともきっと
  うまくいっているであろうと推察する考課をしていないか。

   同様に、一つの悪いことに影響をうけ、他のこともきっと
  うまくいっていないと推察して考課していないか。

d. 自信のない態度で優劣の差が出ないように考課していないか。
  メリハリのない考課をしていないか。

e. 期末近くに失敗した事実に大きく左右され、他の事実の
  評価にまでその心理状態をひきずっていないか。

  全てに厳しい考課となり、部下のやる気をなくさせて
  いないか。

f. 考課者にも長所、短所があるにもかかわらず、
  自分の長所と部下を比較して厳しく考課していないか。

   また自分の短所と部下を比較して甘く考課していないか。
   考課は考課者が基準ではなく、部下の行動の変化、成長が
   基準であることを忘れていないか。



《4》望ましい考課とは少し辛めであることの共通認識を持つ

 次に考課者の陥りやすい心理的評価誤差について
触れていきます。

●評価誤差とは、人事考課は長さや、重さの「測定」ではなく、
 人間による判断」です。

  よって、厳密に評価しても人による評価の不一致が生じます。
  これを評価誤差といいます。

●心理的傾向の種類


 (1)ハロー効果
 
   特に優れた点、劣った点または全体の印象に惑わされて、
   被評価者の個々の特性も同様に優れ、あるいは劣っていると
   考えること。
 
  <対策>
   a.1つひとつの評価項目を分離して評価すること。

   b.思いつきや感情によって評価することなく被評価者の
     具体的行動事実をとりあげること。

   c.評価項目毎に部下全員を評価すること。


 (2)寛大化傾向
 
   評価が一般に甘くなる傾向をいいます。

  <対策>
   a.部下に対して厳しい批判の目を持って、
    評価することにためらわないこと。

   b.他の評価者の評価結果とのバランスを
    考慮しないこと。

   c.評価をすることに対する自分の評価能力に
     自信を持つこと。

   d.評価の基準が低すぎないかを反省すること。


 (3)厳格化傾向
 
   評価が一般に辛くなる傾向をいいます。

  <対策>
   寛大化傾向と表裏をなす。


 (4)中心化傾向
 
   評価が中央に集まってしまう傾向をいいます。

  <対策>
   a.良いと悪いと断定できる程に十分に被評価者に
    ついての具体的行動事実を知ること。

   b.その他、寛大化傾向 a〜c に準じる。


 (5)論理誤差
 
   評価項目間に一般的に密接な関係がある
   (例えば、積極性と責任感)と自分なりの論理で
   考えるため、事実の各評価項目へのあてはめを
   誤ることをいいます。

  <対策>
   a.評価項目毎に何を評価するのか区分をはっきりと
    定めて、これに従うこと。

   b.制度上の取り決めをよく理解すること。


 (6)対比誤差
 
   評価者自身を基準として(対比させて)評価することに
   よって生じる評価誤差をいいます。

    例えば、自分の専門的事項について、基準が高く、
   非専門的事項については低くなる傾向をいいます。
    (寛大化または厳格化傾向と深い関係があります。)

  <対策>
   a.客観的事実をもとに各評価項目を切り離して
    評価すること。

   b.専門知識の理解により各基準の高低がないように
    すること。

   c.自分を基準に置かないこと。


 (7)近接誤差
 
   評価時点に近接する行動や成果の印象をより強く
   評価してしまう傾向をいいます。

  <対策>
   a.評価期間全体の行動や成果を客観的に
    評価するようにすること。

   b.制度上の取り決めをよく理解すること。


 (8)逆算化傾向
 
   結果としての処遇、既存の社内序列を念頭に置き
  総合結果から逆算してつじつまを合わせることをいいます。

  <対策>
   a.人事考課という部下の行動、成果、能力の評価としての
    機能を、処遇という機能を明確に区分して行う。

   b.分析評価を経て総合評価を行う手順を踏むことが
    評価の信頼性を高める上で大切との認識をもつこと。


以上の心理傾向からくる評価誤差に対する全般的対策は
─望ましい考課とは少し辛めであることの共通認識を持つ─
ことだと考えます。

 自分に厳しく、他人に厳しい評価を心掛ければ客観性は
維持できるはずです。


★次回は、8月4日を予定しています
 



                        (國井)
  


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