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   退職制度の行く末 その2
                
                   
2003/01/20

 昨年12月2日に掲載しました内容の第2弾として
中小企業退職金共済制度(以下「中退共」と略します)の
紹介をしたいと思います。

 まずは、概要をご覧ください。


中退共の概要

▼適用対象

中小企業
 1.卸売業  
    従業員数100人以下または資本金1億円以下
 2.サービス業
    従業員数100人以下または資本金5,000万円以下
 3.小売業  
    従業員数50人以下または資本金5,000万円以下
 4.上記以外 
    従業員数300人以下または資本金3億円以下

▼契約者  
   事業主 
   ★個人契約ではありません

▼加入者 
   従業員 
   ★加入日については一律のルールにより取り決め可能
     (試用期間経過後等)

▼掛金の拠出  
 事業主が掛金月額を定めて拠出
  5,000円〜10,000円まで1,000円きざみの6種類
  12,000円〜30,000円まで2,000円きざみの10種類

▼退職金給付
 退職金額=基本退職金額+付加退職金

 ★基本退職金は基本的に予定利率に基づく元利合計
   (平成14年11月以降は1%)
 
 ★付加退職金は運用利回りが予定利率を上回ったときに
  定められる上積み分

▼支払い
 一時金か年金

 ★年金は退職日に60歳以上の場合選択
     5年または10年分割受給可能

▼税制取扱い
 掛金は損金または必要経費扱い
   (従業員の給与所得としない)

 退職金は退職所得控除適用
   (年金受給の場合は雑所得扱い)

●━留意点━●
 1.中退共の基本退職金額は、加入11ヶ月以内に退職したときは
  まったく支給されません。

  また12ヶ月〜23ヶ月までは納付した掛金を下回ります。

  24ヶ月〜42ヶ月までは納付した掛金月額と同額。

  43ヶ月以上となってはじめて納付掛金を上回ります。

 2.懲戒解雇の場合の不支給や従業員の責めに帰すべき
  事由により一部不支給にする場合は、当該不支給分は
  共済機構のものとなります。

  事業主には還元されません。

【基本退職金額(一例)】 

《掛金月額》 5,000円 ◇  10,000円 ◇   20,000円 ◇  30,000円 
======================================================
《 5年》 304,100円  ◇ 608,200円 ◇ 1,216,400円 ◇ 1,824,600円
------------------------------------------------------
《10年》 632,800円  ◇ 1,265,600円 ◇ 2,531,200円 ◇ 3,796,800円
----------------------------------------------------
《20年》 1,333,300円 ◇ 2,666,600円 ◇ 5,333,200円 ◇ 7,999,800円
-----------------------------------------------------
《30年》 2,106,550円 ◇ 4,213,100円 ◇ 8,426,200円 ◇ 12,639,300円
------------------------------------------------------
《40年》 2,958,950円 ◇ 5,917,900円 ◇ 11,835,800円 ◇ 17,753,700円
------------------------------------------------------




適格退職年金からの引継と活用

 次に
適格退職年金から中退共への引継と活用について
見ていきましょう。


 
 適格退職年金とは
 生保または信託銀行と契約を結び、保険料全額を
 損金計上する、国が認める企業年金制度。
 以下「適格年金」と略します。



 中小企業の場合、2012(平成24)年3月末までに
新たに中退共の契約を結ぶことで、適格年金の積立金を
引き継いで中退共制度に移行することができます。

▼ルール

1.適格年金の全額解約または一部移行(給付減額)を
  実施する。

2.引継通算可能月数は、適格年金での加入月数を超えず、
 また120月(10年)以内。

3.引継限度額は、掛金月額が上限の30,000円、
 適格年金加入月数が120月で378万3,600円。

▼移行例

1.適格年金からの解約返戻金が500万円
  (加入月240月)の場合

 適格年金加入は20年(240月)、中退共加入時の掛金月額は
30,000円、したがって引渡金は378万3,600円
(上記「基本退職金額」(一例)を参考)となり、
中退共での通算加入月数は120月となる。

 差額121万6,400円は一時所得となる


2.適格年金からの解約返戻金が200万円
  (加入月120月)の場合

 適格年金加入は10年(120月)、中退共加入時に掛金月額は
10,000円、したがって引渡金は適格年金加入月数が120月で
126万5,600円となり、中退共での通算加入月数は120月となる。

 差額734,400円は一時所得となる。


●━移行課題━●

1.長期勤続者・高額な解約返戻金を受ける者がいる時は、
 中退共への移行は実質的に困難。
 → 引継限度を超える分が適格年金の一時所得扱いの
   解約返戻金となり課税対象となるため。

2.適格年金の設計をS字型カーブのように、勤続年数が
 高まるほど支給額を漸減させる方法を採用していた場合は、
 引継後掛金月額の調整を行う(上限の30,000円で移行し、
 本人の同意を取って掛金月額の引き下げを実施する等)
 必要がある。


その3では『養老保険』について取り上げる予定です。

   
★次回は3/17の予定です。


                        (國井)
  


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