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『外国人雇用の注意点』 |
2002/06/24 | |
サッカーのワールドカップもいよいよ決勝トーナメント。 残念ながら日本代表は破れてしまいましたが、ヨーロッパ、 南米のスーパースターたちの華麗なプレーが日韓各地で見られ、 世界各国からたくさんのサポーターが訪れています。 これは世界的イベントによる一時的なことですが、昨今、 実感するのは、多種多様な外国人が自分の周りや近所でも 生活していることです。 また、コンビニ強盗やピッキングの犯人が捕まると外国人だったり ということもあり、治安の悪化が懸念されています。 労働市場においても外国人と接する機会は確実に増えている ように感じます。 企業の中では実際に外国人労働者を雇用されているところも 多数あるのではないでしょうか。 そこで、今回は外国人労働者の雇用にまつわる基本的な法的 注意点について触れてみたいと思います。 ----------------------------- 1.在留資格 ----------------------------- 政府の「第9次雇用対策基本計画」(平成11年8月)によりますと、 「専門、技術的分野の外国人の受け入れを積極的に推進する こととし、いわゆる単純労働者の受け入れについては、日本の 経済社会等に多大な影響を及ぼすことが予想されるため、 十分慎重に対応することが不可欠」とされています。 ●「出入国管理および難民認定法(入管法)」では、外国人が 日本で就労するためには一定の在留資格を取得することが 必要としており、この在留資格がなければ就労することが できません。 (期間も定められています)。 したがって、まずはこの在留資格や期間に着目して就労の 可否の判断がされることになります。 尚、在留資格、期間はパスポートの「上陸許可証印」や 「外国人登録証明書」に表示されます。 (1)就労可能な在留資格 ●定められた範囲内での就労が可能な在留資格 外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、投資・経営、 法律・会計業務、医療、研究、教育、技術、人文知識、 国際業務、企業内転勤、興行、技能 ●特定活動(個々人に与えられた許可の内容により 就労可否が決められるもの) ワーキングホリデー、技能実習等 ●身分や地位に基づく在留資格(就労にに制限なし) 永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者 ※日系人は3世まで、「日本人の配偶者等」や「定住者」での 日本への入国が認められているため、原則、就労に 制限はありません。 (2)就労できない在留資格 ●文化活動、短期滞在(観光、保養等)、留学、就学、 研修、家族滞在 ※留学、就学、家族滞在の場合、「資格外活動の許可」を とることによりアルバイト等の就労が可能になります。 ○留学:1週28時間まで 就学:1日4時間まで 長期休業中は1日8時間まで ○家族滞在:1週28時間まで (3)不法就労 密入国などの不法入国による就労はもちろん、在留資格が ない就労、在留期間を越えた就労、たとえ在留資格があっても 資格範囲外の就労を無許可で行う場合も含まれます。 ●罰則 入管法では、不法就労外国人の雇用やあっせん等に対して、 「不法就労助長罪」として「3年間以下の懲役又は200万円以下の 罰金」が定められています。 ----------------------------- 2.公的保険の加入について ----------------------------- 外国人就労者をどうとらえるかによって解釈が分かれてきます。 外国人であっても合法的な就労である限り、特に日本人の場合と 差別はありませんが、不法就労の場合どうなるのでしょうか。 各保険制度とも、現実とは異なりそもそも不法就労者は存在しない ということが前提になっていますので、加入基準は不明確です。 不法就労者かどうかは資格取得の段階では詮索されず、 添付書類も求められません。 これまで何度か不法就労者の保険加入について、役所の方とも お話する機会がありましたが、明確なお答えはなかったように 記憶しています。 ただし、職安と社会保険では、不法就労者であることが判明すると、 入国管理局に通知されるという説も聞いたことがあります。 ●労災保険 適法な就労かどうかを問わず適用されます。 ただし、労働保険料の算定基礎賃金にその方の分も計上する ことが必要です。 労働基準監督署はこれまで、たとえ不法就労者と思われる 人から労災申請があっても、入国管理局に通知しない方針を とってきたようです。 (仮にそうであったとしても今後は不透明です)。 業務上災害に対する労働者の保護という労災保険の役割の ためでしょうか。 ●雇用保険 永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者は 適用されますが、それ以外は適用されません。 失業と同時に在留資格がなくなり、帰国しなければならない からです。 ●社会保険 これまで適法か不法かを問わず適用になるという認識で いましたが流動的で、昨年今年と、社会保険の方から、口頭で 不法就労者は加入できないという言われ方をされたこともあり ました。 ●所得税 ○居住者:日本人労働者と同じ課税方法 ○非居住者:支払われる給与に一律20%課税 (租税条約等により取り扱いの違い有り) ※居住者:「日本に住所を有し、又は現在まで引き続き1年 以上居所を有する個人」 ---------------------------------------------------- 《参考》平成14年3月6日、警察庁、法務省及び厚生労働省の 三省庁が確認した「不法就労等外国人対策」 ---------------------------------------------------- 1.不法就労外国人及び悪質なブローカー・雇用主等に関する 緊密な情報交換 ○具体的事案の捜査・調査に当たる都道府県警察、法務省及び 厚生労働省の各第一線機関による緊密な情報交換 ○警察庁、法務省及び厚生労働省による各第一線機関での 情報交換実施状況のフォローアップ 2.事業主・団体に対する行政指導及び啓発活動の強化 ○都道府県等を単位とする警察、入国管理局及び労働局による 事業主団体に対する説明会の開催 3.就労資格を有する外国人による資格外活動の防止対策の強化 ○同上 4.悪質な不法滞在・不法就労事犯等に対する取締り等の強化 ○警察、入国管理局による合同摘発及び労働局による強制 捜査等との連携の強化 ○警察による不法入国あっせん組織、不法滞在を助長する 事犯等の徹底取締り ○入国管理局による、悪質なブローカー、雇用主及び不法 就労者の警察に対する告発・通報の強化 5.不法就労防止に向けた国内及び海外広報の積極的実施 ○警察、入国管理局、労働局等による広報啓発活動の推進 (堤) 中部労務管理センター (社会保険労務士事務所) 人事労務管理研究所 (人事労務コンサルタント) ⇒ホームページはこちら http://www.jinjiken.co.jp (ドクターホーワよりのご紹介) 中部労務管理センターの堤さんは、スキーが趣味の 30才。 この仕事をはじめて5年目ではりきっています。 まじめで、基礎能力の高い堤さんは、お客様にも 厚く信頼されています。 ⇒ 【事務所概要】はこちら ⇒ 【事務所理念】はこちら |
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