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      確定拠出年金法について
                       
2001/10/16

確定拠出年金法について

 平成13年10月1日より確定拠出年金法が施行
されています。

 では、確定拠出年金とは、どんなもので、いままでの
ものとどう違うのかを見ていきましょう!


まず、退職金の目的について
 
 その前に、退職金について触れておきます。

 退職金には次の3つの目的があります。
 
@ 老後の生活保障
 A 功労報償
 B 賃金の後払い

 
 最近は、松下電器がBに焦点をあてて、退職金の
前払い制度を導入したりしていますが、退職金支給目的の
変遷をみると
 @ → @+A → @+A+B → A+B→B 
となっていると考えます。

 そして昨今では、”廃止”の声もちらほら聞こえてきたり
しています。
 
 ただ、人材の定着・就社意識が人材の流動・就職意識に
変化してきているなかで、国の年金財政の逼迫と相まって
確定拠出年金の環境が整ってきたといえます。


確定拠出年金とは?
  
 
毎月一定の掛け金を積み立て、その運用成績に応じて
将来受け取る年金額が変動する仕組みの年金制度といえます。


 ここで留意していただきたいのは、この年金が導入された
ことにより、いままでの国の年金制度が”変わる”わけでは
ないということです。

 いままで通り、国の年金は厚生年金、国民年金、共済年金で
運営されていきます。

 ただ、企業年金といわれている税制適格年金や
厚生年金基金が確定拠出年金の登場により、
前者は10年後に廃止され、後者は国の代行部分を
返上し新企業年金(確定拠出年金)への移行が
認められています。

 確定拠出年金には次の2つのタイプがあります。

▼企業型年金 ▼個人型年金
拠出 事業主のみ 個人のみ
加入 原則全員  希望者
対象 労使合意により導入を決めた
企業の従業員

@自営業者
A企業型年金制度がない企業の
  従業員
限度額 @企業型年金制度がある場合
  年額21万6千円 
A企業型年金制度がない場合
  年額43万2千円
@自営業者
   年額81万6千円

A企業型年金制度がない企業の
   従業員
     
年額18万円
限度額の管理 企業  国民年金基金連合会
受給 60歳以降年金または一時金
60歳以降年金または一時金


いままでの制度(確定給付)との違いは?
 
▼会社側

 
<メリット>
  
・確定拠出
   @運用リスクを負わない
   A年金数理計算や支払保証制度のためのコストがかからない

  
・確定給付
   @終身雇用を前提とした生活保障制度に合致している
   A資産運用余剰が生じた場合は掛金負担が軽減される

 
<デメリット>
 
  
・確定拠出
   @資産運用に関する自己責任原則を従業員に
      教育する必要がある
   A加入員ごとのデータを管理する必要がある

  
・確定給付
   @積立不足分を追加しなければならない
   A支払い保証制度(基金のみ)や年金数理計算の
      ためのコストがかかる


▼従業員側

 
<メリット>
  
・確定拠出
   @転職時に年金資産を持って会社を変わることができる
   A自己の保有する資産について自分の知りたいときに
      確認することができる
       (自己意志の反映可能)

  
・確定給付
   @給付が確定しているので老後の生活設計が立てやすい
   A運用知識がなくてもおまかせですむ
 
 
<デメリット>
  
・確定拠出
   @老後の生活設計が不安
   A運用知識が求められる(他人任せではすまなくなる)
  
  
・確定給付
   @転職の際の移管に制限がある
   A資産運用に意志を反映できない
 

これはひとりごとですが・・・・
 
   確定拠出は、次の点で中小零細企業には時期尚早と
   思います。

    
@ 税免除の額が低い
    A 会社が管理費を負担したがらない
    B 個人ではまだまだ預金志向が高い
    C 60歳到達が給付用件では50歳代の
        第二の人生に資金が活用できない
    D 中小企業退職金制度(中退金)の方が
        魅力(知名度・安心感)がある

                     
                     (國井祥行)


(ドクターホーワよりのご紹介)

 國井さんは新進気鋭の中部労務管理センターを
ぐいぐい引っ張る若き所長です。

 何事にも前向きに取り組み、クライアントの立場にたって
真剣に問題にむきあい相談にのっていただけます。


 年金の問題は、自己責任があたりまえの社会に
ならない限り、この閉塞した社会の構造改革が
進んでゆかない、という日本社会の縮図といえます。

 しかし、とりあえず、今をどう切り抜けてゆけばよいのか。

 われわれは、そういう道を指し示してくれる専門家を
待望しているのです。


 

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